POEM-2009
     ●青春賛歌
     ●愛しい君へ
     ●休息
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     ●********-別サイトにて公開
     ●night moon
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青春賛歌


昔を懐かしむように開いたのは日記帳で無くアルバム
夏の暑い日差しに負けない若い自分と
日焼け止めを知らない肌の色
カメラの前で格好つけずに笑うことが簡単だったと
盛り上がるだけ盛り上がって
後は酔い潰れた人の様に 深く 浅く
夢を見て眠りについた毎日におろされたシャッター
フィルムの中に焼きついた時間
あの頃に戻れたなら どんな人生をやり直すだろう
ろくな事無かったけど、やり直したいほどの人生だったか?
幸せの落ちていない 暗い 暗い 独り道だったか?
もしそうだったとして、
やり直したらその壁さえ越えられるだろうか?
あの頃の自分だっていつも 何度も 何度も やり直そうとしたさ
だけど結局何も変われないままで今日まで生きてきたんだろう?
大切なものばかりがポケットから溢れて
顔を覗かせて犇いて蠢いて
大切の意味は頭からすっかり消えてしまった
訳も解らず怒鳴り散らして 怒って 八つ当たって 泣いて
心が悲鳴を上げても 聞こえないフリ 耳を塞いだ

“悪いのは自分じゃない”

言い聞かせるように何度も呟いて
この痛んだ心の傷口は そんな事で誤魔化されたりはしなかった
もっとずっと歪んで どうにもならなくなって
引き返せないトコロ ぎりぎりの淵で
そして思い出すのだ 大切だったものを 
ポケットにまだ入ってるかい?
そこに戻らなきゃと足掻いて
誰も解ってくれないと眠れない夜を越えて
今この瞬間降りたシャッター
作った下手な笑顔も まぁまぁ悪くないじゃないか

また一枚このアルバムに写真が増えて
また一つ年を重ねていった
まだ入ってるかい?
ポケットの中に 君の大切なもの 僕の大切なもの


2009.01.11

















































愛しい君へ


君をどれだけ思っているだろう
言葉では伝わらないこの思いを
あえて言葉にするのなら
誰よりもたくさんと 応えたい


寂しそうに笑う君の笑顔に
終わりを知った 午後
よそよそしい雰囲気 気付けずに
どうしてこんな事になったかなんて
自分以外に誰を責めればいい?
いくつかの涙を見逃して
そして気付けば 僕らは違う道を歩いてた

君をどれだけ愛してただろう
この気持ちに今でも嘘は無いよ
思い出すだけで 温かくなる
涙がにじんで 袖が冷たい
君をどれだけ思っているだろう
今も変わらずに ただ君だけ
もう一度やり直す事が出来たなら
今度はちゃんと 伝わるだろうか


君が笑いかける 楽しそうに僕に
何かをささやきながら
そして覚めて思う 夢の残酷さを
おそろいのマグカップは使えない
並んで僕を見下ろさないで
それだけで息も出来なくなる

君をどれだけ愛してただろう
生きる意味になる程に
近づくたび視えなくて
自分の世界だけで生きていた
君をどれだけ思っているだろう
僕が見ていたのは君の
表面の甘いシロップだけだった?
何か言ってよ 想像でいいから


空を見上げればいつも
君の姿 浮かんでは消えて
自分の不甲斐なさが
雨になる 晴れているのに


君をどれだけ愛してただろう
この気持ちに今でも嘘は無いよ
思い出すだけで 温かくなる
涙がにじんで 袖が冷たい
君をどれだけ思っているだろう
今も変わらずに ただ君だけ
幸せなら それでいい
だけど 欲を言えばまた僕の隣で
幸せにはなれないのかな…


2009.04.16

















































休息


「駄目だよ…」
屋上のヘリに体を預けて、吐き捨てた溜息
誰かの幸せの為に 私の幸せは飛んでいった
柔らかい日差しは 紫外線を含んで苦く
泣きだしたい程の想いが
空を曇らせていく

どこまでも 広い
青い天上の大地
見上げたままじゃ 首が痛くなった

何が悲しいのかなんて
きっと解らない
ただ生きてることが 辛い瞬間
そんな時は隣に誰も欲しくない

目を閉じると
風だけが隣を歩いていった

「慰めてくれないの?」

そう言ったら、
強く風が吹いた。

飛び降りれる高さのこの場所から
強く強く
吹きあがっていく

何処へ行くの?
あなたは 一人で。

答えは無かった
けれど
地上まで手を引いて
「いきなさい」と言ってくれた

息苦しくも愛おしい
地上の楽園に

あなたの帰る場所は
そこにあるのだと…


2009.06.28

















































生きるコツ


世間では豚インフルエンザ、
ネットでは新型ウィルス

世界はクルクル回って
目まぐるしく変わる情勢に
私の眼はぐるぐる回って

もうフラフラで、バランスが取れないね。

でも

何もしなくてもそばにいる
まだそんな誰かがいるから、
ふらつきながらも立ってられる

倒れても 手を差し伸べてくれる
まだそんな誰かがいるから
倒れてももう一度立ち上がれる

私の周りの
ただ言葉を交わすだけの 誰か

そう
あなたがいるから
今日も強気で 歩いて行ける

弱音を吐く代わりに、立派に笑って生けるのです。

2009.05.21

















































正反対で正判待


嫌な事があって
気分が落ち込んで
「頑張れ」って自分を励ましても
どうにも動けなくて

眠りたくないから、眠れなくて
朝が来るのが億劫で

時間と懸命に戦っているのに
チックタック とめられない


嬉しいことがあって
気分が舞い上がって
「やった!!」って心の中で叫んで
はしゃぎまわって

眠りたいのに 眠れなくて
朝が来るのが待ち遠しくて

時間と懸命ににらめっこしているのに
チックタック 針が遅い


こんなにも似ているのに
どちらも思い通りにならなくて
意地悪な時計
意地悪な世界

せめて眠っている間だけは
何もかも忘れて眠らせて…

2009.06.09

















































night moon


“おやすみ”を言う時間
頭の中をよぎる不安

明日の私は
笑えるだろうか?

未来への暗闇
眠ったらこのまま
朝日が昇ってこない気がする
それでも いいか
明日に希望なんて無いんだもの
なんて
本当はどこかに落ちていないか探してるのに
全然見つからない
部屋の電気が消えたままだから?

遠くに見える月は
太陽と違って心細い
折れそうな私を支えてはくれず
ただ静かにそこにあるだけ
そりゃそうか
だって月も私と一緒で
太陽の光で輝いているんだから

今日の不安に“おやすみ”を
明日の不安に“おはよう”を
無くなることは無い 小さな種
それらを心の袋に無理やり詰めて
ギュッと蓋をして
見えないふりして
今日も頑張るしかない

頑張るしかないって
言い聞かせて
死ぬその日まで
生きるしかない

死にたくないから
生きるしか 無い

生きたいから
生きるしか 無い

今日も
明日も
明後日も

ずっとずっと
その先も


2009.09.13

















































STAY


ずっと一緒に歩いてきた道
その道の先で振り返った。
長く伸びた影が手をつないで笑っていたけど、
あれ?
僕の隣に君がいない

もう 君はいない



2009.07.17

















































STAY


ささやかだけど
心の中で
“がんばれ”って叫んでる


大きいはずの背中が 小さく見えて
年を取った あなた
いつまでも写真の中だけで笑ってる
誰にも「辛い」と言えずに
苦笑いで誤魔化して

この世界中で誰が
そんなあなたを救ってくれるだろう?
私の小さな手じゃ
夜毎の愚痴も拾いきれない

この世界中で何が
そんなあなたを救ってくれるだろう?
星が願いを叶えてくれるなら
流れるのをどこまでも追いかけるのに

あなたに味方はいないの?
みんな本当はすぐ傍で心配そうにしてるのに
誰もが誤魔化してる
話してしまうと 心が傷ついてしまうから

お酒を飲んで
馬鹿なテレビを見て
笑って
笑って
そして 夢を見ない

死んだように眠ってる間だけ
嫌な事忘れたフリして

泣きたいほどの毎日を
そうして 一人で生きている
大人になると そうやって
ただ抱え込んで 生きてしまう

だから
ささやかだけど 心の中で
“がんばれ”って言ってみる

“がんばれ”
“がんばれ”

言葉の粒が背中で弾けて

“がんばれ”
“がんばれ”

丸まってしまった元気のないあなたの背中を
ぐいぐい 押してくれたらいいな…

“がんばれ”
“がんばれ”



2009.08.25

















































てがみ


君の声が聞きたくて
ただ 笑ってほしくて
そんなこと思いながら
  書いた手紙
読みなおすと不格好で笑えて

こんなんじゃだめだなって

それでも、明日この手紙はポストの中にあって
君に会いにいくだろう

だから読んだらすぐに返事をください


元気かどうか、笑ってるかどうか



2009.09.19

















































深夜


強く 強く
抱きしめてもらえたら
それだけで涙も堪えられるのに
それが誰の腕でもかまわない

家族でも
友達でも
男でも
女でも

だけど 今は
ひとりぼっちだ

こんなに静かな夜に
ひとりぼっちだ

朝が来るまで
温もりが欲しい
自分で自分の肩を抱きしめて
そっと頭をなでて
囁きかける

こわくない
こわくないよ

けれど 本当は自分じゃない誰か
誰かに言ってもらえたら
それだけで朝までずっと
眠っていられるのに

だけど 今は
ひとりぼっちだ

とても静かな部屋に
ひとりぼっちだ



2009.10.04

















































コード


ありがとう

ただ一言。
本当に心から あなたに伝えたい気持ち

こんなにもあふれているのに
文字にすると 箱の中にただ律義におさまって
それじゃ 社交辞令みたいじゃない
嘘みたいじゃない


ありがとう
ありがとう
ありがとう
ありがとう
ありがとう
ありがとう
ありがとう
ありがとう
ありがとう
ありがとう
ありがとう
ありがとう

たくさん並べてみたけれど
なんて素気ない ただの文字
気持ちが全然色付かない
もどかしい
それが何より辛い

真っ先に伝えたい
一番に伝えたい
たくさんの
こころからの
ありがとう

気づいて



2009.12.06

















































眠り姫


この世界は 時に幻を映す
ゆめ うつつ
鏡のようだね
独り言は朝焼けが吸い込んだ

眠れない月を数えて
訪れた夜明けは
雲に阻まれて 太陽は昇らない
君もいない

目を閉じて鮮明なビジョン
手を伸ばして触れてみた
こんなにもリアルな感覚が
瞼を開くと 全て消える

切ないなんてとても言えない
この窓の向こうに広がる
ビルの谷間に 君が眠っているなら
「ねぇ、眠り姫」
いつか、目覚めるときは僕のkissで…


この世界を 終わらせる為に
君 僕
手を結び
真冬の夜風が温もりを奪った

永遠を共に誓って
訪れた目覚めは
白い壁に囲まれて 僕一人
君がいない

目を閉じて鮮明なボイス
耳を澄まして頬寄せた
こんなにもリアルな吐息が
瞼を開くと 全て消える

さよならは言わなかった
この世の先にきっとあると
ハッピーエンド信じたから 二人
「おやすみ、王子様」
そっと、瞳とじてKissをした…


いばらはこの世を覆うしがらみ
時は呼吸いきをせずに
ハッピーエンドを信じたから 二人
手を取り合ったのに


「さぁ、眠り姫」

切ないなんてとても言えない
この窓の向こうに広がる
ビルの谷間に 君が眠っているなら
「ねぇ、眠り姫」
白い檻の中で軋む棺の中で
幸せを夢見て また月を数えよう
「ねぇ、眠り姫」
いつか、目覚めるときは君のkissで…



2009.11.29