今夜も貴方は私の褥の横 煙管を銜えて髪を撫でる
窓枠に射す月明かりの灯火 漆黒の帳を切り裂いて照らす
息遣いさえ聞こゆる 荒々しい夜に
それでも 貴方は ただ私の傍に在る
抱いてくれてもいいのよと 穢れた体を差し出せば
悲しい顔で 抱きしめるだけ
頬に当てられた手が 震えてるのは 何に怯えているの?
心は明かさず ただ私をと 額に口付けを落とすだけ
朝日と共に貴方は去り 夕闇と共に私を買う
言葉は意味を成さぬまま 貴方の胸に消えて行く
穢れているのは同じだと 語った貴方が契りを結び
いつかこの格子の外 自由という世を見せてくれると
指を絡ませ 囁いた
今宵も貴方を待ち侘びる
他の誰に抱かれても 心はいつも貴方と共に
叶わぬ願と知りながら 絡ませた指の温もりを
今宵もこの胸に秘め 格子の内で貴方を探す
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